緑地 ＋ 自転車 ＝ 駐輪プランター
まちの景観要素である緑地帯をプランターに置き換え、自転車と足し合わせることでこの駐輪プランターを計画しました。
この提案は町の景観要素に自転車差し込むという考えを基本としているので、設置場所の状況に応じて展開は多様に考えられます。駐輪ラックをつくる、というよりは、町の景観要素に自転車分の余白をとる。自転車を許容できるまちを目指してこのシステムを広げていければと考えています。
浅野 千幸 審査員
私がデザインすると考えますと、この駐輪プランターの作品には共感が持てました。また青山の景観にはマッチすると思います。
渡会 悦義 審査員
自転車を整然と止める機能と環境を考慮したプランターという二つの機能を併せ持ったこの作品は、プロダクト作品として評価できるものと思いました。
千葉 学 審査員長
Product Design 部門優秀賞の真泉洋介さんの案は、植栽のための植木鉢と自転車ラックを一体的にデザインした、ちょっとユーモラスな作品である。歩道でも店先でも、私たちが日頃目にする植栽鉢、そこに自転車を停めるという機能を付加するというアイデアは、これまでありそうでなかったものではないかと思う。植木鉢を良く見てみたら、自転車を挟めそうなスリットがある、そんな発見も楽しいが、一度この仕組みを理解してしまうと、植木鉢を並べる側も、どのように自転車を停めてもらうか、といった観点で配置を考え始めるに違いない。そんな植木鉢を介した設置者と利用者との密やかな対話が楽しいし、実際そこに自転車を停めれば、自分の自転車と緑陰が一体となった、街中のちょっとしたオアシスを生み出すことにもなりそうだ。ありふれたものとの組み合わせから広がる新しい世界、これもまたデザインの楽しいところであるし、新しい街の風景への介入として、多いに期待が持てる案である。
